
【1】仏像彫刻に必要な要素(技術・技能)について。
1.2Dから3Dを頭の中で描く能力
参考となる図面、写真は2Dですがこれを参考に3D立体物を想像して彫り進める。これには才能が必要ですが、数をこなし慣れる事です。
2.彫刻刀の切れ味を維持する為の再研磨技術
切れ味が悪い刃物は怪我の元、又、木肌を傷め作品になりません。これも慣れるしかありません。先の真直ぐな平刀、印刀は直ぐにコツを掴めますが、丸刀は非常に難しい彫刻刀のメーカーでは1本200円程で再研磨をしてくれますが、是非研ぎ方をマスターしてください。私は1か月ほど格闘しました。研ぎ方はYouTube等にUPされていますので参考にしてください。
3.根気ーーこれが一番大事!!!
プロの仏師は一つの作品に1年以上掛けると言います。その
大半は仕上げ削りです。よく切れる彫刻刀で鰹節より薄く表面を細かく削って行く根気のいる仕事です。面倒だからサンドペーパーで仕上げてしまいますが、彫刻刀で削った木肌はピカッと光りますので違いがひと目でわかります。
【2】彫刻刀以外の道具類の紹介
(参考書に詳しく載っています。)
1.砥石
荒、仕上げ、丸刀用荒・仕上げの合計4種類が最低必要。
私が使っている物
*キングホーム砥石 両面#1000、#6000
刃に細かいクラックが入った時に使用
*キング彫刻刀砥石 超仕上げ用、中研磨用
丸刀の研磨用
*正本山天然仕上げ砥石
普段のメンテナンス用、彫刻刀使用前後に軽く研いで切れ味
を維持します。
*両面ダイヤモンド砥石#400、#1000 GOKEI_CO
刃先の欠けが大きい時に荒砥石の前に使ったり、定盤代わ
りに耐水ペーパーの台として砥石の面修正に使用
砥石については別途説明します。
2.トースカン(ヘッド写真左)
鉛筆で作品に水平線を引く為の道具です。
彫刻刀メーカーで販売していますが4、5千円と高いので
ホームセンターで手に入るもので自作しました。
両面平な木の台、L時金具(穴は邪魔ですが)鉛筆ホルダー、
大型クリップ、ミニチュアバイス、エポキシ接着剤で作りま
した。
3.木工用セメダイン(速乾性)
彫刻時、残すべき所がポロッと欠けた時に接着します。
4.オルファクラフト鋸
木材に型紙で描いた図に四方から切れ込みを入れる為に使用
します。
5.曲尺ーーL時型の定規です。木材に線を引く時に使います。
仏像彫刻は尺、寸を使う場合があるのでcm、尺併用の物が
良い。
6.防刃手袋・耐切傷手袋ーーホームセンターにあります。
始めた頃は木材を保持していた手が滑ったり怪我が多いので
両手の力加減が判るまで使ってください。