2020年5月10日日曜日

仏像彫刻の自己流荒取り方法。


仏像彫刻を初めて二年弱、ネット、書籍の情報での独習しています。特に参考になったのは関侊雲仏師監修の「彫刻刀で作る仏像―入門編」㈱スタジオ タックです。この中の小さなお地蔵様から始め、地蔵菩薩にステップアップしていきました。良い本なのですが一つだけ気に入らない所があり、自分なりに工夫した所を説明します。それは、テキストに載っている型紙からだと荒取りの取り代があまりにも多いという事です。
上の写真の右側の白衣観音様を例に説明します。この仏像は木彫り彫刻入門に良く使われる作品で、荒取りした材料が彫刻刀メーカーから販売されていますが、これを角材から製作していきます。

1.原寸図作り
テキストの図面(写真)をスキャナーで取り込んでそれをWordに張り付けて拡大縮小で材料寸法に合わせます。この時最後の微調整は印刷の倍率設定で行います。正面図、側面図を作成して、碁盤目を描きます。
2.材料にも碁盤目を描きます。
中心線を正確に描いて、原図と同じサイズの碁盤目を描きます。
この時使うのがトースカンです。
3.まず正面を転写します。碁盤目を目安に原図の外周部をプロットしていきます。寸法を測るのは面倒なので私はノギスをデバイダー代わりに使っています。プロットした点を滑らかに繋いでいきます。
4.碁盤目に沿い外周線まで正確に鋸をいれます。
正確を期す為、オルファ―クラフト鋸を使用しています。
5.鑿、平刀等で、外周線まで削り取ります。

6.正面を削り終えたら、側面に取り掛かります。
面は削られているので今度は3Dの転写になります。同様にトースカンで碁盤目を絵描き外周線を描きます。
7.碁盤目線に沿って、外周線まで鋸を入れてから、外周線まで鑿、平刀で削ります。
8.削った4面を印刀、平刀を使い滑らかにして荒取りが完成します。
9.一つだけ注意点は前後切削時にあごと鼻の位置を完成図面から読み取り、削り過ぎない事です。