風太君のもう一つの趣味は落語です。といっても聞く事です。
ほぼ毎夕方、阪神が負けている時、野球中継の無い時にはMP3プレイヤーに落語をダウンロードしたのを聞きながら1時間半、近所の遊歩道を散歩しています。
落語コレクションは817話、レンタルショップ、図書館、ラジオ、テレビ、ポッドキャスト等あらゆる手段で集め、風太君自慢のコレクションとなっています。
そのなかでも「代書屋」は有名な落語です。昭和初期4代目桂米團治が落語家になる前の職業「代書屋」を題材とした創作落語です。当時は無筆(字が書けない人)の為に履歴書などを代筆する職業として代書屋があり、落語「代書屋」はその代書屋とお客さんのやりとりを面白おかしく落語にしたものです。 桂米團治の弟子の桂米朝、その弟子の桂枝雀に受け継がれて18番としていました。今は5代目桂米團治(米朝の息子)も良く演じています。
今日は現在の代書屋、司法書士の仕事の話です。
風太君の知人から休眠中の有限会社を商号変更して株式会社にする手続をやってくれないか?
という依頼がありました。本来はこの様な仕事はその専門家である司法書士に任すのですが、手数料が高いので、という話です。
現役時代から、「出来ません」と言わないのが風太君の信条で早速調査開始!!
命題 ①有限会社を商号を変更し株式会社にする。
②取締役全員入れ替え
③本社移転 (これは同一法務局管轄内での移転)
まず商業登記の知識がゼロなので図書館に行き「株式会社をつくるならこの一冊」と言う本を斜め読みして予備知識を得ました。有限会社を商号変更して株式会社を作る方が新規に株式会社を作るより15万程度登録に要する費用が安い様です。
それからHPを調べました。法務省のHPに詳しく登記方法が載っていました。
命題①でも、取締役会を作る場合と作らない場合など細かな分類で必要書類とその書類フォーマットと記入例が詳しく書かれており、これなら楽勝と思いました。
記入例には定款、株主総会、委任状等の記入例もあり、殆どコピ・ぺ、固有名詞変更だけですみました。
所が、法務省の記入例は最後の詰めの所に疑問が残る今一のもので、困りました。書類の日付、新代取か旧代取か、社印か実印か等々、仕方無く法務局に電話して聞いてみると、電話では説明しがたいので来てくださいとの返事で早速予約して翌日出向いて色々聞いてみました。
担当官は法務省の記入例解説書と同じ様な解説書をもって説明してくれましたが、驚いた事に風太君が引っ掛かった所すべて、注記が加えられており、法務省より遥かに判り易いものでした。
その解説書をもらって、「法務省の解説書より遥かに判りやすいですね、この解説書が法務省のHPにあれば、今日来なくて良かったのに!!」と嫌味を言って帰って来ました。
尚、法務省の解説書の記入例では代表取締役は法務太郎 大阪法務局の解説書は大阪太郎でした。残念ながら大阪法務局のHP内で検索しても申請書関連は全て法務省に飛び、大阪太郎の解説書はネットでは入手出来ませんでした。これがお役所仕事の典型ですね!困ったものです。
と言う事で風太君の代書屋の仕事は完了しました。
この様に商業登記はずぶの素人でも可能ですが、注意事項があります。
法律でこの様な登記業務を”業として” (つまり報酬を得る事を目的として)実施する場合は司法書士等の資格が必要で、素人が金を貰って代行する事は法律違反になります。
と言う事で今回の労力の報酬は晩飯一回分となりました。